海外関連の税金基礎、居住者・非居住者・永住者・非永住者 判定フローチャートと課税範囲・判定事例について

この資料は、日本の税務上の居住区分を判定するためのフローチャートと、各区分ごとの課税範囲、さらに具体的な判定事例を整理したものです。

まず最初に税務上の居住区分がとても重要です。この区分により課税関係が変わってきます。

各区分の定義と具体例

■ 非居住者

定義:日本に住所を持たず、かつ1年以上の居所を有しない個人。
例:海外赴任した日本人、日本に短期滞在する外国人など。

■ 居住者(非永住者)

定義:日本に住所または1年以上の居所を有する個人で、日本国籍を持たず、かつ過去10年のうち5年以下しか日本に住所・居所を有しない者。
例:来日数年の外国人駐在員、留学生から長期滞在へ切替えたケース。

■ 居住者(永住者)

定義:日本に住所または1年以上の居所を有し、日本国籍を持つ者、または外国籍で過去10年のうち5年以上日本に住所・居所を有する者。
例:日本人全般、日本に長期滞在している外国人。

■ 居住者(包括的定義)

定義:日本に住所を有し、または1年以上引き続き日本に居所を有する個人。
例:日本に生活の本拠を持つ人、長期駐在員、長期滞在の留学生。

各区分ごとの課税範囲

区分国内所得国外所得
(日本源泉分)
国外所得
(日本源泉外)
非居住者課税される課税される課税されない
居住者
(非永住者)
課税される課税される一定条件で
課税されない
居住者
(永住者)
課税される課税される課税される

判定事例(ケーススタディ)

ケース1:海外赴任中の日本人

日本企業から海外に3年間赴任。家族も帯同し、日本に自宅を持たない。
→ 日本に住所・居所がないため「非居住者」。

ケース2:来日2年目の外国人駐在員

日本国籍はなく、来日して2年目。日本に住居があり勤務先も日本。
→ 「居住者(非永住者)」。

ケース3:10年以上日本に滞在する外国人

外国籍だが日本に10年以上継続して居住。
→ 「居住者(永住者)」。

ケース4:留学生(1年未満の予定)

日本に11か月間滞在予定の留学生。
→ 日本に1年以上の居所がないため「非居住者」。

ケース5:留学生(2年以上の予定)

日本に2年以上の滞在予定で、住居を構えている。
→ 「居住者(非永住者)」。

ケース6:日本国籍を持つ人

日本に生活の本拠がある日本人全般。
→ 「居住者(永住者)」。

以下、実務で特に間違えやすい点にしぼって、まとめます。

実務で間違えやすい点

居住者・非居住者の判定で間違えやすいところ

「国籍」で判断してしまう

国籍は関係ありません。
判断基準は 住所が日本にあるか/1年以上居所があるか です。


「住民票がある=居住者」と即断

住民票は参考情報にすぎません。
実際には

  • 日本での生活実態
  • 仕事・家族・住居の状況
    を総合判断します。

「海外赴任=非居住者」と早合点

→ **短期海外赴任(原則1年未満)**は
日本の住所が維持されていれば 居住者のまま になることがあります。

永住者・非永住者の判定で間違えやすいところ

在留資格の「永住者」と混同

税法上の永住者入管法上の永住者
税法では

「過去10年以内に日本に5年超住所または居所があるか」
で判定します。


日本に長く住んでいる=永住者

→ **5年“超”**がポイント。
ちょうど5年では 非永住者 です。


非永住者=日本の所得は非課税

ちがいます。
非永住者でも

  • 日本国内源泉所得
  • 日本に送金された国外所得
    は課税対象です。

住所判定でよくあるFAQ

FAQ①

Q:住民票は海外に移していません。非居住者になりますか?
A:なりえます。
実際に

  • 生活拠点
  • 勤務先
  • 家族の居住地
    が海外に移っていれば、住民票があっても非居住者と判断されることがあります。

FAQ②

Q:日本に家を持ったまま海外赴任しています。住所は日本ですか?
A:赴任期間がポイントです。

  • 原則1年以上の海外勤務 → 非居住者
  • 1年未満の予定 → 居住者の可能性あり
    ※「予定」と「実態」の両方を見ます。

FAQ③

Q:日本と海外を行き来しています。住所はどちらですか?
A:生活の中心で判断します。
次を総合的に見ます。

  • 主たる仕事はどこか
  • 家族はどこに住んでいるか
  • 長期滞在している国はどこか

ひとことで整理

  • 居住者/非居住者:住所・生活実態
  • 永住者/非永住者:過去10年で日本に5年超いるか
  • 住民票・国籍・在留資格だけでは決まらない