iPadで設定が簡単なメーラーと独自ドメインメールの設定方法

(作成:高山和子/税理士・行政書士・ITコーディネータ)

よくある相談:新しい端末でメールが見れない理由

iPadを新しくしたとき(または社用iPadを配布したとき)に多いのが、「メールが見れない」「送れない」というトラブルです。

また、独自ドメインのメールは、導入時にベンダーへ設定を依頼していると、会社側が『メールサーバーのログインID・パスワード』を把握しておらず、設定が止まるケースが少なくありません。

iPadで「設定が簡単」なメーラー(おすすめ順)

1)標準アプリ「メール」(最優先)

iPadに最初から入っているApple純正アプリです。設定画面の案内が分かりやすく、余計な機能が少ないため、社内の標準運用にも向きます。

2)Microsoft Outlook(Microsoft 365/Exchange利用なら)

Microsoft 365(Exchange Online)を使っている会社では、Outlookアプリの方が認証やセキュリティ要件(多要素認証など)に対応しやすいことがあります。

3)Gmailアプリ(Google Workspace利用なら)

Google Workspace(旧G Suite)を使っている会社では、Gmailアプリが最短で設定できます。

迷ったら:まずは標準「メール」で設定 → うまくいかなければ Outlook / Gmail を検討、が安全です。

設定前に準備するもの(独自ドメイン共通)

独自ドメインメールの設定に必要な情報は、会社で必ず管理してください(社内資産です)。

  • メールアドレス(例:info@yourcompany.co.jp)
  • メールのパスワード(“メール用”)
  • 受信方式(IMAP推奨)
  • 受信サーバー名(IMAP)/送信サーバー名(SMTP)
  • ポート番号、暗号化(SSL/TLS)、SMTP認証の有無
  • (必要な場合)ルートフォルダー:INBOX

※パスワードは「iPadのロック解除」「Apple ID」「レンタルサーバー管理画面(会員ID)」とは別の場合があります。

【標準アプリ】iPad「メール」で独自ドメインを追加する手順

iPadの操作手順(iPadOSの表記は多少異なる場合があります):

  1. 設定 → メール → アカウント → アカウントを追加
  2. 次のどれかを選ぶ(会社のメール方式によって異なります)
  •    Microsoft Exchange(Microsoft 365の場合)
  •    Google(Google Workspaceの場合)
  •    その他 → メールアカウントを追加(レンタルサーバーのIMAP/SMTPの場合)

レンタルサーバー(例:さくら等)の場合:『その他』→IMAPで設定

多くの独自ドメインメール(レンタルサーバー型)はこの方法です。

A. 「その他」→「メールアカウントを追加」を選び、次を入力:

  • 名前:任意(表示名)
  • メール:メールアドレス
  • パスワード:メール用パスワード
  • 説明:任意(例:会社メール)

B. 次の画面で「IMAP」を選び、受信/送信を入力:

【受信メールサーバ(IMAP)】

  • ホスト名:指定のIMAPサーバー名(例:mail.ドメイン または 初期ドメイン)
  • ユーザー名:原則「メールアドレス全体」
  • パスワード:メール用パスワード

【送信メールサーバ(SMTP)】

  • ホスト名:指定のSMTPサーバー名(受信と同じことが多い)
  • ユーザー名:原則「メールアドレス全体」
  • パスワード:メール用パスワード

C. 保存後、送受信テスト(自分宛にメール送信→受信できるか)を行います。

レンタルサーバー型の“よくある標準値”(例)

会社の契約内容により異なりますが、IMAPでは次の組み合わせが多いです。

  • IMAP(受信):ポート 993(SSL/TLS)
  • SMTP(送信):ポート 587(STARTTLS)または 465(SSL/TLS)
  • SMTP認証:必要(ON)

※正確な値はレンタルサーバーの『メール設定情報』を確認してください。

Microsoft 365(Exchange)の場合

「Microsoft Exchange」を選び、メールアドレスとパスワードで追加します。
多要素認証(MFA)がある場合は、画面の案内に従って追加認証を行います。
標準メールでうまくいかない場合は、Microsoft Outlookアプリで設定すると解決することがあります。

Google Workspace(Gmail)の場合

「Google」を選び、Googleのログイン画面でサインインします。
会社がセキュリティポリシーを設定している場合は、管理者の案内(端末管理や追加認証)に従ってください。

よくあるエラーと対処(独自ドメイン)

1)『ユーザー名またはパスワードが違います』

・ユーザー名が「info」だけになっていないか(→メールアドレス全体にする)
・入力しているパスワードが“メール用パスワード”か(管理画面のPWと別の場合があります)
・Webメールに同じID/PWでログインできるか(できないならPW再設定が必要)

2)受信できるが送信できない

・SMTP認証がOFFになっていないか(→ON)
・送信ポートが契約の推奨値になっているか(587/465が多い)
・送信サーバー名が間違っていないか

3)SSL関連のエラー

・サーバー名と証明書の対象ドメインが合っていない可能性があります。
・レンタルサーバーでは『初期ドメイン(xxxx.sakura.ne.jp など)』を使うと解決することがあります。
・会社の運用としては“安全のため最終的にSSL/TLSあり”が推奨です。

再発防止:会社で決めておくルール(これが一番大事)

  • メール設定情報(サーバー名/ID/PW/ポート)を社内で保管する
  • ベンダーに依頼しても、設定値は必ず納品してもらう
  • 買い替え時は、まずWebメールでログイン確認→次に端末設定

まとめ

iPadで設定が簡単なのは、まず標準アプリ「メール」です。
独自ドメインのメールは、会社側が設定情報(特にメール用ID/PW)を管理していないと、端末買い替えのたびにトラブルになります。
レンタルサーバー型(さくら等)は、必要情報さえ揃っていれば短時間で復旧できます。